大学

 大学入試が試験中にもれたというニュースが日本中を駆け抜けている中で,早稲田出身のお笑いタレントのK氏が慶応を受験して失敗したというニュースが入ってきた。 とっても寂しい思いがした。K氏にとっては,早稲田も合格した時点で完結していたんだと納得させられたからだ。 早稲田には,優秀な先生もたくさんいて,他では学べないことも多くある。しかし,K氏にとって重要なことは,早稲田に通って学んだことではなく, 早稲田を受験して合格したことがすべてなのかもしれない。私のこのニュースを聞いた寂しさはここにある。

大学で教えていると,学位を出すから今すぐ出て行ってくれと思う学生に出会うことがある。 最近では,そんなことを言おうものなら人権委員会に訴えられて懲戒処分を受けかねない。自分で考えたくないのか考えられないのか自ら学びを探す学生が少ないのだ。 自ら学べる端的な例は卒論を書くことである。どんな厳しい講義を受けようが課題を次々に出されようが,卒論を書くことに勝るものはない。 それまで学生たちが受講してきた講義はその卒論を書くためにあったといっても過言ではない。学生は,生まれて初めて, 他者から課題を出されずに自らが自らに課す課題を探さなければならない。そのためには,一人で自分の力で学ばなければならない。 きっと,自ら学ぶことを探して自らの力だけで学んで行こうとする作業は,大学に入ってから初めての作業かもしれない。 こんな大切な経験をさせないわけには行かない。しかし,最近では,卒業試験で済ます大学も多いと聞く。そのほうが指導する側は簡単だからだ。

私は,良い大学というのは,自ら学ぶことのできる学生を育てる教師の多い大学のことだと思う。
















  


 


2011/3/6

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