間違いだらけの英語活動6
今回は、「丁寧表現」と「初期英語は何をすべきか」ということを別々にお話します。

(1)丁寧表現
根市の丁寧表現の一覧を紹介します。21例あるので21とも呼んでいます。
これも以前に紹介しました根市のモデル1に当てはめることができます。短くても長くても同じです。Would youと言おうがI would appreciate it if you couldと言おうが、相手にお願いをしている表現には変わりません。
これは根市のモデル2にも当てはめることができます。
上の21の表現の意味は省略しますのでご自身で調べて使ってみてください。当然同じ依頼の意味でも丁寧さの度合いが違うということです。
 ここで脱線して、丁寧表現に関したちょっとした専門的なお話をしてみましょう。 私たちは、どうやって丁寧さを生み出してきたのかという話です。たとえば「you would」が語順を変えて「would you」という疑問形にすることによって「丁寧さ」が生じます。それは、判断を相手にゆだねるからです。 つまり、「やってほしい」と直接指示するのではなく、相手の立場に立って「お願いできますか」と相手に判断をゆだねているのです。 こうした行為の中に丁寧さが生まれてくるのです。  しかし、丁寧さは表現形式だけではないのです。言葉は私たちの生活や社会生活を反映したものですから、思ったより複雑です。 たとえば、「please→Will you please→Could you please→I would appreciate it if you could」の順で丁寧さの度合いが増していっていますが、時には、人間関係や場面によって丁寧さが逆転することがあります。 たとえば,寒い日に訪ねてきたお客さんに向かって、
    Will you please come in?
と語りかけるのが丁寧なのか
    Come in!
と語りかけるのが丁寧なのかと言えば、「さあ、入って」と言われる方が訪ねてきたお客さんは、ほっとするのではないでしょうか。こうなると、どちらが丁寧と言えるのかというと、Come in!の方が丁寧さを感じるという人たちの方が多いでしょう。  さて、21を練習するのですが、この紙面では無理なので別な機会に譲ります。


(2)初期英語では何をすべきか
 初期英語では、「今、目の前で起こっていること」や「実際にあった出来事」 や「近い将来に起こる出来事」を表現させるのが良いと思います。小学校低学 年の子ども達に先生が作文を書かせるときに言うことは「見たこと、聞いたこ と、行ったところ」を書きなさいと言います。つまり、子ども達に実際に起こ ったことを書くのがどんな子ども達にも容易だからです。このことを英語に置 き換えて考えて見ますと、架空のことを書かせますと、その時点の日本語の能 力に対応する文章を考え出してしまいます。それに対応するだけの英語力を当 然のことながら持っていないわけです。
 したがって、初期英語では、架空の話を話題に出してはいけません。架空の 話はどこまでも膨らんでいきます。それに対応するような英語力を持ってコミ ュニケーションをするなどということはできません。ここからも、詩の朗読や 演劇や紙芝居や本の読み聞かせが英語の力をつけたり、コミュニケーション能 力をつけることにはならないことがわかります。ただし、無駄かというとそう ではありません。それらの活動は子供たちが喜びます。子供たちが喜ぶことは 必要なことです。つまり、「動機付けに使う」のには最適な活動なのです。しか し、残念ながら、英語のコミュニケーション能力をつけるには無理があります。 今、おすわりができた子どもに立って歩くことを強要するのと同じことです。 いかにその時に必要なことを教えるということが大切かということです。

  


 


2011/11/7

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