「シアトル、そしてイリノイ訪問」
 2月29日〜3月4日に,新規の事業を作るために,シアトルのワシントン州立大学(UW)を訪れた.一年ぶりのシアトルだ.昨年の同じ時期とは違い非常に寒い.珍しく朝方みぞれが降ったりする.札幌も十数年ぶりの寒波を経験しているがここシアトルも同じらしい.ここは,坂の多い港町なので,雪が降ったりしたらすべてが麻痺してしまう.市民は突然の休日のプレゼントを歓迎するという仕組みなっているらしい.
UWの一番大きな図書館がスザロ図書館だ.中には,ハリーポッターの学校のような学習室もある.その前の広場はレッドスクエアと言ってワシントンの銅像が立っている.初めてここに立ったのはもう15年以上も前になる.ここは私の大好きな場所の一つでUWにきたら必ずここに来る.スザロ図書館に向かって左手に学生が行き交う広場あるがそこの桜は見事である.
今回は,フィールド研究IVに参加している学生の視察と同じようなプログラムの開発のためにやってきた.みんな楽しそうで安心した.一人だけ,中国系アメリカ人の家にホームステイが当たって,家庭内での英語の使用率の低いことに文句を言っていた.シアトルは,多文化社会である.そのようなバイリンガルの家庭は珍しくない.彼だけ損したような気持ちにならないように,日本に帰ったら指導しなければならない.UWに学生を送るのも残すところ3回となった.もう,二百人近くの学生をここに送り込んでいる.かつてはそんな日々が永遠に続くような気持ちがしていたがやはり終わりというものは必ずくるものだ.ただ彼らは間違いなくシアトルが好きになっている.いつか自分でシアトルにきてこのレッドスクエアに立つことは間違いない.そう思うと寂しさも薄れてくるから不思議なものだ.
シアトルは綺麗な街だ.ボーイング社,Microsoft社,スターバックス,Amazonなど,世界中を席巻している会社がここに集まっているせいもあって,街が潤っているのだ.ウエストレイクセンターからモノレールに乗ってスペースニードルまで行ってきて欲しい.パイクプレースマーケットも行って損はしない.クラムチャウダーやピロシキは一度は食べて見たい.手作りソーセージの店でもできたてのソーセージを食べさせてくれる.パイクプレース前にはスターバックス一号店がある.実は一号店は,他のスターバックスとロゴが違う.一度,確かめて見たらいい.
シアトルをあとにしてイリノイ州立大学(ISU)に協定の延長の話し合いきた.一年間の交換留学生の交流が少しこじれてきているのだ.ここは,一口でいうと大いなる田舎町である.イリノイ州立大学も日本人が知っている超有名大学ではないが,1857年に設立されているので,歴史はある.どこ一つとっても日本の大学とは比べ物にならないくらいゴージャスだ.学生寮なんかは勉強するためのスペースが贅沢に取られているし,コンビニも入っている.日本の教育文化とは相当格差がある.もちろん,4000もある全米の大学がすべてそうではないかもしれないが,少なくともここはそうだ.このどこまでも続く広大な土地は,30年前,隣の州のオハイオ大学の大学院に通っていた頃の景色とそう大差はない.あの頃は,何にもないとよくぼやいていたが,今では,その当時の同級生もみんないい年齢になって,一人を除いては都会暮らしをしている.その一人は,ポールと言って,あの退屈なOhioのAthens市でベーグルの会社を作って大成功した.我々の専門は言語学であった.あいつは一体なんだったんだろうと思う時がある.数か月前に,彼のことを思い出して,検索をかけてみて,ヒットしたメールに連絡を取ってみたら,ポールだった.彼も今では社長職は他人に譲ってコンサルティングをしているということだ.このイリノイ州の景色は,一瞬にして自分を30歳まで戻してくれるから不思議なものだ.あの頃に会った友達ともずいぶんと疎遠になってしまっている.私はずぼらなので,友人たちともまめに連絡を取り合っていないから,向こうからも連絡が来なくなってしまっている.いまだに連絡が取れるのは,以前ここにも書いた4人組のフィリップとリンダだけだ. 一日一日を大切にしてこなかった人間の末路はこんなものだ.そろそろ,昔の友人ともう一度会っておくべきだと思うようになってきたから人間なんて勝手なものだと思う.  イリノイ州立大学では,今年の7月7日8日に北海道教育大学で開かれる「第3回教育に関する環太平洋国際会議」の話し合いもしてきた.この環太平洋国際会議は,イリノイ州立大学と共催で開かれており,2006年に第一回目が本学で,2008年に第2回目をイリノイ州立大学行われている.第一回目の基調講演者で特別支援教育権威であるパレットさんの家に招かれてごちそうされた.かれが,10時間もかけて作ってくれたローストビーフがあまりにもおいしかったので写真を載せておきます.

  


 


2012/7/17

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