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Exchange Programs at University of Calgary, Alberta, Canada,
and University of California at Davis, California, USA

田島 理沙さん (Risa Tajima)  

英語教員(札幌市内中学校勤務)
北海道教育大学教育学部国際理解教育課程/2009年度卒

【佐藤吉文との関わり】大学在学中佐藤ゼミに所属
【留学先】カナダ・アルバータ州・カルガリー大学/5週間、アメリカ・カリフォルニア州・カリフォルニア大学/6か月

カリフォルニア大学教授と
ホストマザーと
友人と
サンタモニカ(ロサンゼルス)にて
ロサンゼルス、ディズニーランドにて

 

 海外で生活すると、たくさんのカルチャーショックを受けます。その瞬間は驚きますが、捉え方によって必ず良い経験になると思います。
 カナダが私にとって初めての海外生活の場でした。チップ、お風呂がない、家の中でも靴を脱がない、別れ際や久しぶりに会った時、感謝の気持ちを伝えたい時などにハグをするなど、様々なカルチャーショックを受けました。中でも特に印象に残っているのは、ホストファミリーとのやり取りです。ホストマザーに “Do you wanna eat ice cream?”と聞かれた時、すぐに “Yes.”と言えませんでした。日本人特有の「気を遣う、遠慮する」文化が原因です。マザーはマザーでも本当の母親ではないから“Yes”と言うのは厚かましい気がして。でもアイスは好き。困った顔で“Well…,”とか言いながら考え込む。それを見てホストマザーが“Yes? Or No?” と聞く。「ちょっと待ってよ。」と思いつつ、待たせるのはまずいと感じ、勇気を出して“Yes.”と言うと、ホストマザーは笑顔でアイスをくれる。この二者択一にしばらく苦戦しました。カナダやアメリカでははっきり意見を言うというのは頭ではわかっていたけれど、それに実際に直面すると困惑します。この時初めて自分で体験したことによって納得することができました。そもそもさせたくないことは初めから聞かないのです。あれから8年(もうそんなに経ったんだ・・)。今なら、迷わず笑顔で “Yes! I love ice cream!”と言います。それがお互いにとって気持ちのいい自然な表現だとわかっているから。スムーズなコミュニケーションのためには「郷に入っては郷に従え」です。今は、場面に応じて日本の良い文化と外国の良い文化をバランスよく取り入れながら日々生活しています。ちなみに「良い文化」という表現を使うと、「悪い文化」があると捉えられそうなので一応付け足すと、ここで私が言う「良い文化」というのは「私にとって都合の良い文化」です。アメリカ人にも色々。日本人も色々。生徒も色々。文化によって、人によって、場面によって、表現の仕方を柔軟に変えます。この力が今の仕事に本当に役立っています。
 もう一つ驚いたのは、大学で教授のことをファーストネームで呼ぶことです。日本で生徒に「リサ!」なんて呼ばれたら説教なしには済みません。一方でカナダやアメリカでは、その方が良いのです。敬意を表そうとして“Professor”や“Teacher”と呼ぶのは逆に失礼になってしまうのです。それと、特に気に入っているのが、英語には敬語がないということです。話をする時や文章を書く時に年齢を気にしなくていいので、年上の人とのより円滑なコミュニケーションが可能になります。日本語の敬語は丁寧で美しいのですが、距離を感じることがあります。例えば、年上の人とどんなに親しくなっても私は敬語を使います。それが日本での常識だと思うし、年上の人はやはり敬うべきだと思うからです。でも、プライベートな話をしたり一緒に旅行に行くような間柄でも、いつまでたっても距離を感じたりします。これは明らかに言葉が原因です。ただ、好き嫌いに関係なく、そういう文化なのだから受け入れて、その中で上手くやっていくしかありません。

最後に一言

海外留学では英語や異文化を学べるだけでなく、
コミュニケーション能力を高められるなど大きく成長できる絶好のチャンスです。
お金はかかりますが、生きる力、一生の財産になります。
若いうちにぜひ!


2014年4月掲載

佐藤吉文からの一言

留学は本当に私たちを成長させてくれるという典型的な例を田島さんが実践してくれましたね。
一直線の田島さんがこんな報告をしてくれると嬉しくなります。

自分の先生をfirst nameで呼ぶというのは、我々、日本社会で育った人間には、結構慣れないものです。
社会言語学にsolidarityという概念があります。
相手との距離感によって名前の呼び方も変わってくるというものです。
これを利用して、相手といつまでも距離感を保ちたければ、余所行きの言葉で話せばいいわけです。

今度会う機会がありましたら、カルフォルニア大学の話をぜひたくさん聞かせてください。

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